知識グリッドコンピューティング

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■研究テーマ一覧

大規模情報処理基盤の構築


事業担当者:中村 佳正

  • 基礎科学としての数学の重要性は広く認識されている.それは,対象を深く理解し,共通言語で記述し,新しい方法論を組み立てることができる唯一の科学だからである.情報学の建設にあたっても,数学に期待される役割は同じである.
  • 数学と情報学の接点は,大別して,計算数学(数値計算,数式処理),離散数学(組合せ論,暗号・符号理論),データ数学(統計数学・ファイナンス数学)に分けられる.
  • 本拠点では,計算数学の革新を目標に,大規模情報処理の理論的,技術的基盤となる,高速かつ高精度な数値計算アルゴリズムを開発している.
  • 具体的には,知識循環社会における要素技術である高速データ検索やエージェントシミュレーションの実現のための,行列固有値・特異値分解法,連立一次方程式の直接,反復解法の開発などである.
  • 数学の新しい可能性にご期待いただきたい.
数学





並列化「方式」ライブラリ


事業担当者:中島 浩

スーパーコンピュータの発展は目覚しく、現在世界最高速のシステムは1秒間に1000兆回を超える加減乗算を行う性能を持っています。また我が国で開発中の次世代スーパーコンピュータでは、毎秒1京回(10000兆回)以上の演算能力が目標性能となっています。しかしこうした超高性能のコンピュータの構造は複雑化の一途をたどり、10万台以上のパソコンを結合したような巨大なシステムで、その潜在性能をフルに発揮するプログラムを開発することは、非常に困難になっています。
並列化「方式」ライブラリ
そこで我々は、多数のCPUが一つの仕事を分担する並列処理のプログラムをできるだけ簡単に作成するための方法として、さまざまな高度な並列処理の「やり方」をライブラリと呼ぶメニューとして用意し、解くべき問題に応じて「やり方」をプログラムの形に変換することを研究しています。これまでのライブラリが問題の一部分を対象としていたのに対し、我々の「方式ライブラリ」は問題全体を対象とする新たな試みであり、学内のアプリケーション分野の研究者と協力して、既存のプログラムを新たな方法で並列化・高速化する実証研究を進めています。





離散最適化に基づく問題解決システムの構築に向けての研究


事業担当者:永持 仁

組合せ最適化(あるいは離散最適化)と呼ばれる最適化問題は,コンピュータ科学の基礎理論分野であり,近年の計算機やアルゴリズム理論の発展を受けて新しい展開を遂げつつある分野でもあります.
オペレーションズリサーチ,システム工学,バイオインフォマティクス,さらには経営学,経済学,社会科学など多くの領域で応用が期待されています.現実の問題を解決するためには数理モデルが設定され,そのモデルの持つ数学的構造を利用して効率の良いアルゴリズムの開発が行われます.
我々は個々の現実の問題を個別にモデル化するのではなく,離散最適化の観点から,広い応用を持つ潜在的に重要な数理モデルを選定し,モデル化された問題を解決するため以下の方針で研究を行っています.
離散最適化
  1. 理論基盤の構築:グラフ理論,離散数学の成果を応用し,最適化理論,計算量理論などの観点から,問題に適したアルゴリズムやデータ構造を設計するための理論的基盤の構築に貢献する.
  2. アルゴリズムの設計と解析:基本的な離散最適化問題に対し,問題の計算複雑度,問題例の規模やタイプ,要求される解の質に応じて選択された最も適したアルゴリズムの理論的枠組みのもとで,新しいアルゴリズムの開発とその性能の解析を行う.
  3. 問題解決システムの構築:重要な数理モデルを選定し,このモデルにより表現されるあらゆる問題例を効率よく柔軟に解ために,関連するアルゴリズムを統合した問題解決システムを構築する.
現在,グラフ描画システム,2~3次元物体の充填システム,化学グラフの列挙システムなどの問題解決システムの構築を進めています.





社会的評価基準を満たすアルゴリズムの設計とその厳密な解析


事業担当者:岩間 一雄

すべての情報処理技術の基礎であるアルゴリズムの設計と解析に関する研究を行っている.効率良く正確にという従来からの観点のみならず,現実的な時間で理論的な性能保証を与える近似や,入力情報の不完全性をいかに克服するかといった観点からも研究を進めている.現在取り組んでいる研究テーマは,インターネット・ルーティング等のグラフアルゴリズム,安定結婚問題等のマッチングアルゴリズム,論理式の制約充足判定問題SAT,将来情報の不完全性に対応するオンラインアルゴリズム,量子アルゴリズム,オークション等のメカニズムデザイン,組合せゲーム・パズルの理論,計算の複雑さを議論する計算量理論等,多岐に渡っている.どのテーマにおいても,理論的に強固なものを得ることを目標としている.





数理最適化のモデリングとアルゴリズムの開発


事業担当者:福嶋 雅夫

数理最適化とは現実の社会に現れる様々な問題を解決するための数理的システムアプローチの代表的な方法論のひとつです.最適化の応用分野は枚挙にいとまないほどで,今後ますますその版図を拡大し,重要性を増していくと考えられます.数理最適化の研究には大きく分けて,(1) モデリングやアルゴリズムの基礎を与える理論研究,(2) 現実の具体的な問題を解決する応用研究,があります.理論は,学問的な見地からだけでなく,実際の問題を取り扱う際にも非常に重要です.確かに現実は理論どおりには行かないのが普通ですが,そのことを十分認識した上で理論を用いれば問題に対する本質的な見通しを得ることができるはずです.つまり,確固とした理論に基づいて問題を取り扱うことにより,より確かな成果を得ることができるのです.また,応用に関しては,数理最適化は典型的なシステム的方法論なので,個別の分野に限定されず,さまざまな分野の問題に対して幅広く適用することが可能です.
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私たちは,現実の問題への応用をしっかり見据えながら,理論重視の研究を行っています.特に,非線形計画問題や相補性問題・変分不等式問題など基本的な数理計画問題に対する効率的なアルゴリズムの開発を中心的なテーマとし,確率的最適化やロバスト最適化など不確実性下の最適化,均衡制約をもつ数理計画問題,およびファイナンス工学,データマイニング,通信工学,交通工学などにおける応用など,多種多様な問題に取り組んでいます.