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2006年09月29日

福岡にて研究会

今日はちょっとした晴れ舞台でした。

5月に発表してきたWorld Wide Web Conferenceは僕の分野ではそれなりに重要な会議ということで、聞いてきた研究について発表せよという指示を受け、情報爆発ITという科研の班別研究会で動向解説というのを行いました。

日本からの参加者は二十名程だったと思うのですが、そのうち四人、ひとり20分ずつ、自分が面白いと思った研究について発表です。

七十人近い先生方の前で話さなくてはならず、こんなに緊張した発表は今まで無かったです。

場所はなぜか福岡。いつも東京で集まってばかりいるので、たまには九州で、ということなのでしょう。

泊まっているホテルは中洲にあり、とても都会です。

明日の朝食は博多明太子が食べ放題のようなので、非常に楽しみです。

中洲の屋台で飲むと、ストリートミュージシャンが沖縄の曲を歌いに来たりします。

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2006年09月25日

週末ずっと聴いていたサイト

週末、研究室にこもって仕事している間ずっと聴いていたサイト。

名曲スケッチ

どこかで聴いたことのあるクラシックの名曲と、その説明。

元になっているMIDIは以下のサイトなどから来ている。

ラインムジーク

仙姑宮

しかし、名曲スケッチは見せ方が特にうまいと思った。

アヴェ・マリア

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2006年09月23日

KGCネット局。自分たちで番組を作ってみる。

未来社会の多様性を高めるシンクタンク KGCでは最近、ネット上での番組配信に取り組み始めているようである。

KGCの研究員であるN尾さんは様々な分野の研究者にインタビューを行い、夜毎それを放映する「連日連夜プロジェクト」という番組の作成を進めている。N尾さん自身がインタビュアーとなって、研究の面白い所を聞いていくという、かなり本人の楽しみを兼ねたような番組。

一方、先日の晩、KGC理事長の柴田さんに誘われ、Oさんが企画している番組の検討会に顔を出してきた。内容は「まだ秘密で」ということなので書けないのだが、基本的にバラエティ番組的な企画である。

夜九時から百万遍にあるKGCのオフィスにて、アイデア出しと実験的な収録。

Oさん曰く、昔は連想ゲームとかクイズダービーとか、かなり凝った番組がたくさんあったのだが、最近は少なくなった。

というよりむしろ我々が日本人の平均的な感性についていけなくなっただけなのかも知れないが、それなら自分たちで作ってしまおうという試みは面白い。

そもそもテレビは見るよりも自分たちでやる方が断然面白いと思うし。

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2006年09月21日

クラクフの広場で見かけた(誰にでもできる)大道芸

通行人の背後にぴったりくっついて、動作を真似する。

うまい。

誰でもできそう。

お金に困ったらこの方法で小銭を稼ぎましょう。

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2006年09月19日

ライフログ検索が重要になるのではないかという予想

週末、昔の知り合いのN井さんから連絡があり、京都に来ているので飲まないかと誘われた。

N井さんは現在は三重県で大手化学メーカーに勤めているが、大学時代、友人たちと「シエスタ」という名前の同人誌を発行していた。

本人たちは文芸同人誌と呼んでいたが、巻頭の特集では全身に墨汁を塗って真っ黒な状態で街を歩き女の子にきゃーきゃー言われることを趣味にしているKさんという男性に対するインタビューなど、突撃レポート的な側面の方が秀逸な雑誌であった。

寺町三条のサンシャインカフェにて会う。移動体通信会社でSEをされているK橋さんを紹介してもらい、三人で飲む。

K橋さんは最近、大学の社会人向け講義を受講しているらしく、授業でユビキタスホームの話が出てきたとかで、非常に興味を持っておられた。僕の研究室の教授が以前、情報通信研究機構(NICT)に関わっていた頃、隣のグループでそれを研究していたため、ちょっとだけ接点がある。

そこから話題が広がり、今後の世の中はどういう方向に発展していくのだろうかという話になる。

実は数日前、教授が文科省にプロポーザルを出す際、10年後を見据えて計画を立てなくてはならないということで、これからの情報技術がどうなっていくかについて雑談したばかりだったのである。

僕は個人的に『ライフログ』がすごく発展するのではないかと思っている。つまり、自分が見たことや聞いたことをすべて小型のカメラやボイスレコーダに記録し、検索できるようにする。人生におけるあらゆる体験、あらゆる会話が検索できるようになる。

強迫観念的なメモ魔である僕ならではの予想と言えよう。

ライフログを蓄積すること自体はそのうち可能になるだろうが、重要なのはそれをいかに検索するか。ウェブ検索、デスクトップ検索などとはまったく違う技術が必要になってくると思う。

ライフログを巡り、K橋さん、N井さんといろいろ面白い会話。

まず、ライフログの普及によって実際に記憶することの価値が薄れるだろうという予想。必要な時にはライフログを検索すれば良いのである。

「旅行に行く意欲が薄れるかもね。データをライフログにダウンロードすれば十分、みたいな」とK橋さん。

そこまでは行かないかも知れないが、日本人は旅先で写真を撮ってばかり、という外国人における日本人イメージを返上できるかも知れない。その代わり、ヘッドマウントディスプレイ付けた変な連中、というイメージの方が定着してしまうかも知れないが。

「ライフログを使ったら、デジャブの疑問が解決するとか。『本当にこの光景、見ていたんだー』って」とN井さん。

デジャブ検索、いいと思う。実は視覚的な類似性は何もなくて、単に匂いが似ていただけだったり。いろいろ分かるかも知れない。

ライフログ検索に加えてもうひとつ、漫画/アニメ検索にも将来性があるのではないかと思う。

Google Booksに対抗して、あらゆる漫画/アニメをスキャンし、検索できるようにする。

これは先日ポーランドで国際会議に参加した折、熱烈な漫画愛好家である南アフリカの女子大学院生から聞いた話なのだが、アメリカには「Manga University」という名前の出版社があり、漫画を読むために日本語を勉強する本などを多数出版しているそうである。

漫画検索、アニメ検索が実現されれば、全世界から利用されるだろう。

漫画が簡単に検索できる → 全世界の人々が漫画を買う → 日本のコンテンツ産業の活性化 → 日本は安泰

非常に重要である。

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2006年09月12日

ヨーロッパにおける研究費獲得の方法

クラクフで国際会議に参加していた折、カールスルーエ大学のクリンク先生と知り合いになった。情報検索を研究している三十代の助教授。

発表をまめに聞いてまわり、熱心に質問もしている。だが、それだけではないらしい。

「会議に来ると、ソーシャルネットワーク的な活動で忙しいんだ」

オンラインのソーシャルネットワークで遊んでいる訳ではなく、いろんな人と知り合いになり、話し合いをするということ。

なぜかというと、EUの政府から研究費を獲得するためには、申請者グループの中に最低でも五ヶ国、しかも東西南北それぞれの地域から最低一ヶ国ずつ研究者が参加していなくてはならないとか。

各国政府からの予算もあるが、それは金額が小さいため、やはりEUの予算を狙っていくことになる。そのためには研究者間でテーマのすりあわせを行い、ひとつの大きな目標を描かなくてはならない。それぞれの興味は異なるので、まとめる作業はなかなか大変である。

以前、別の先生も「アメリカは競争で予算が決まるが、欧州は協力で決まる」と言っていた。

そんな政治的な配慮で決められて大丈夫なのだろうかと少し心配になる。

ちなみに日本の場合、以前は学者の国会と呼ばれる学術会議という所が予算の作成に関わっていたため、内輪の力関係に影響を受けつつも、それなりにアカデミックな価値観で動いていた。しかし、近年の首相権限強化の流れに伴い、総合科学技術会議という組織が決定権を持つようになった。これには首相や大臣などの非研究者も参加しているため、

「この研究によって五年後にどれだけの経済効果が生まれるのか」

などという予想外の質問が出され、文科省の役人が答えに窮することが多いとか。

そのため、あらゆるタイプの質問に答えられるように、申請書に記入する項目が異様に増えてきているらしい。

そういう仕事が僕の所まで降りてきて、結構大変だったりする。

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2006年09月03日

デジタル逆さめがねを作ってみた。

デジタル逆さめがねを作ってみた。

逆さめがねというのはガラスやアクリルのピースを組み合わせて、世界が逆転して見えるようにする眼鏡である。
上が下、下が上に見えるようにしたり、左右を逆転させたりする。
一週間も掛け続けていると、逆さの状態が正常に感じられるようになり、眼鏡を外した時に世界が反転しているように感じられるらしい。

今回作ろうとしたのは、これのデジタル版である。
光学的な逆さめがねは軽く作るのが大変なのだが、デジタル版であれば頭に付ける部分を軽くできるのではないかと考えた。

現時点で最小クラスのノートPCである Sony Vaio type U。ポケットPC並みのサイズでありながら、Windows XPがそのまま入っている。

Logicool のウェブカメラ。解像度は130万画素。とても軽い。

さらに、Daeyang の i-Visor FX601というヘッドマウントディスプレイ。

とりあえず部品類はこれだけ。

研究室にいたsloth氏、N岡さんに手伝ってもらい、組み立てを行う。
ヘッドマウントディスプレイの前面にセロテープで厚紙を貼り付け、ウェブカメラのクリップで挟む。軽いのでこれで十分支えられる。
さらに、ヘッドマウントディスプレイの後ろに輪ゴムを付けて、頭に固定する。
type U の本体やケーブル類は首からかけるポーチに入れる。

ビューアはとりあえず NetMeeting を使うことにした。
左右反転や上下反転はウェブカメラの設定で簡単にできる。

かくしてデジタル逆さめがねの完成である。

研究室の中をうろうろしはじめるsloth。

「よく歩けるなぁ」
「この場所を知っているからというのもある。問題はね、ちょっと外が見えちゃうんですよ」

顔とヘッドマウントディスプレイの隙間から正常な世界が見えてしまうという問題。

「そしたら、ブルカだ」
「何かかぶればいいんだね」

紙袋で頭を隠すようにした。

小さな穴を開けて、ウェブカメラだけ外に突き出すようにする。

最初、眼鏡全体が出るくらいの穴を開けてしまったが、実はその必要はまったくなくて、ウェブカメラのレンズだけ突き出せば良いということに気がついた。大きな穴は後ろに回すようにした。

「これでどう?」

机にごつんごつんとぶつかり始めるsloth。うまく行っているようである。

「電話、取れる?」

反対方向に手を伸ばす。

ホワイトボードに字を書いてみる。
頭で憶えているので、短いフレーズは簡単に書けるようであるが、図を描くのが難しい。
日本地図はぐじゃぐじゃ。

ここで面白い発見。
小さい頃に左利きを右利きに矯正したというN岡さんは、逆さ文字を猛烈な速度で書ける。すごい特技だ。左利きから矯正した人はみんなできるのだろうか。

三人で夕刻の街に繰り出す。

バス停の前の人々が怪訝な顔をして我々を見ている。

逆さめがねの実験をしているようには見えないだろう。単に、紙袋をかぶった変な男である。

ウェブカメラの小さなレンズをふさぐと見えなくなってしまうというのが面白い。

柵などにごつごつぶつかりながら、歩道を歩く。

次第に暗くなってくる街並み。

「白黒だよ」

暗すぎて風景がほとんど見えないらしい。

「赤外線カメラにしたい」

たしかに。

「今、サイボーグみたいな感じ?」
「3Dのゲームを始めたばかりで、足取りおぼつかなく歩いているという感じ」

オフィスは河原町二条にあるため、そこから河原町通りを南に向かって歩く。

「ノイズがすごい」

暗いためカメラ映像にノイズが入ってしまうのだと思う。

「月は見える?」
「見える」
「欠け方は?」
「そこまでは分からん」
「半月なんだけど」

明るすぎる光源は円形になってしまい、形がよく分からないのだと思う。

最初は左右反転にしていたのだが、途中で上下反転に切り替える。

「左右反転の方が難しい」

これは僕も以前、同じ感想を抱いた。上下は頭の中で変換しやすいが、左右は難しい。

京都市役所の前の広場に出た。

ここで僕に交代。

たしかに暗い。ウェブカメラには集光力に限界がある。
細かい光の線のノイズが入り、ホラー映画の呪いのビデオみたいである。

さらに、ビューアが全画面表示になっていないため、カメラ映像の周囲はWindows。
呪いのビデオ的な世界と、その周囲のデスクトップのギャップが著しい。

サイボーグの出てくる映画で時折、視野の周辺にそれらしき計測メーターなどが出ていたりするが、今後現実にサイボーグが作られるとしたら、視野の周辺はWindowsになるのではないか。

御池通の向こう側、寺町のアーケード入り口がまるでルミナリエのように光り輝いて見える。
輝度の調整がうまくできていないため、明るい所は強調され、他の部分は暗い。

しかし、黄昏時の青い光が全体を満たしていて、白黒というより、記憶の中のディズニーランドという感じ。
安っぽいドラマの回想シーンとか。

夕焼け空はしっかり見える。足下は暗い。

「バッテリが切れかけています」という表示が出る中、まだまだ歩く。

ごつんとぶつかる。
歩道と車道の仕切り用のポールだった。
危ない高さだ。

カメラのレンズの関係で、離れているものがかなり近く見える。
たとえば車がものすごく近くを走り抜けていくように感じられる。ちょっとスリルがある。

「寺町に行こう」

アーケードなので、明るいはずである。

寺町御池の交差点に差し掛かった時、slothとN岡さんが誰かと話し始めた。

「何してるんですか?」
「ちょっと実験を……」

ウェブカメラ越しには誰だか分からない。ただ人影が立っているだけである。

「無視して通り過ぎようかと思ったのですが……」

秘書のIベさんであった。自転車で通りがかった所らしい。

「これはデジタル逆さめがねといって、世界が反転して見えるんです」

かぶってもらった。
ノリが良くて素晴らしい。

「アーケード綺麗でしょ?」
「綺麗ですね」

よろよろと歩くIべさん。

「あ。真っ黒に……」

バッテリ切れで終了。

なかなか興味深い実験であった。

次回はもっと明るい時間帯に行うことにした。

色の反転や視野の拡大など、通常の逆さめがねで行えないこともいろいろ試してみたい。

このデジタル逆さめがねの泣き所は、ウェブカメラの解像度が十分高くないため、小さな字を読めないことである。
そんな状態で一週間生活することなど、不可能である。
通常のDVカメラをくっつけるという方法もあるが、重くなってしまうだろう。
あるいはもう少し待てばウェブカメラの解像度も向上し、もっと良いものが作れるかも知れない。

Posted by taro at 07:33 | Comments (6) | taro's blog ℃