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2007年04月27日

バイオ燃料

今月末から首都圏では植物由来の燃料、バイオエタノールを数%配合したガソリンが一般のガソリンスタンドでも売られるようになったとのこと。新しい時代の到来を予感させるニュース。

バイオ燃料は原料が植物のため、その炭素は元々大気中にあった二酸化炭素から来ている。そのためいくら利用しても大気中の二酸化炭素の総量を増やさず、温暖化防止に効果があるのではないかと期待されている。これに関連して先日、学内で行われたバイオ燃料に関する講演を聞いてきて、なかなか面白かったので覚え書きしてみる。

講演者はエネルギー科学研究科の坂志朗教授。超臨界状態を利用してバイオ燃料を作る研究をしている。

水のイオン積は温度と共に増加するため、超臨界状態では 10-10 くらいになっている。だから中性なのにpHが5とかいうことになって、触媒としての性質を示すようになる。さらに、誘電率つまり極性も低下する。実験装置の覗き窓から見てみると、温度が上がるにつれて極性溶媒と非極性溶媒が一相になって混じり合うのが観察できるらしい。このような超臨界状態の特徴を活かしてセルロースを加水分解したり、バイオディーゼル燃料を作るというのが坂先生の研究内容。

バイオディーゼル燃料というのはディーゼルエンジンで使うことのできる植物由来の燃料のことだが、一般に使われているのは脂肪酸メチルエステル。油脂や脂肪酸では粘度が高くて使い物にならないが、メチルエステルになると重油や軽油などと似た物性を示すようになって、ディーゼルエンジンに入れて使えるとのこと。

油脂とメタノールのエステル交換には従来はアルカリ触媒法や酸触媒法、リパーゼ酵素法というのが使われてきたそうだが、たとえば家庭から出る廃油などは遊離脂肪酸の割合が高く、アルカリ触媒は中和してしまいあまり使えない。そこで坂先生の研究室で開発されたのが、超臨界あるいはそれに近い高温でメタノールと脂肪酸を混合し、反応させるという「超臨界メタノール法」。ただし、今のところ実験室レベルで実現されただけで、実用化はまだ。

京都市はバイオディーゼル燃料の利用に関してはかなり進んでいるようで、燃料の100%がバイオディーゼルという市バスが何台か走っている。一般家庭や食品業者から回収された廃油がゴミ処理場内にあるプラントで加工されている。地球温暖化防止会議をきっかけにして、開発に取り組んだそうである。

Posted by taro at 00:31 | Comments (6) | taro's blog ℃

2007年04月25日

藤屋敷

我が家の近所にある草木に覆われた民家、この季節は藤が咲くということを知りました。

他の季節は単に緑が多いだけなので、すごく藤が好きな人なのではないかと思います。

Posted by taro at 23:40 | Comments (5) | taro's blog ℃

2007年04月22日

オープンソース・ロボット

先週行われた研究会。オーストラリアから来ている留学生のCラッドが会議の参加報告をしていた。

CラッドはオーストラリアのLinux関係の団体の会長だとかで、ビデオブログを研究している鬼プログラマである。報告した会議もシドニーで開かれたLinuxコンファレンスで、本人いわく「とても多くのインスピレーションを受けた」とのこと。

数々の発表を聞いてきた中で「RepRap」というプロジェクトを気に入った様子で、研究会のスライドで紹介していた。

台の上でポリマーを溶かし、部品を作って、自分自身を組み立てていくロボット。RepRapというのは Replicating Rapid-prototyper の略らしい。まだすべての部品を作ることはできないので、開発の初期段階。

RepRap

ちょっといじれば他の物も作ることができるため、自分自身を増やしながら様々な工業製品を作り出していく夢のロボット。これを使えば貧しい国々でも産業を興すことができる。誰でも自分自身の工場を持つことができる。という風に、将来展望はやけに壮大。

しかし、これはどう見てもハードウェアの話。なぜこんな発表がLinuxの会議で行われるのか。

そもそも自己複製する機械という考え方自体、おそらく大昔からあるし、他にもやっている所がありそうである。あえて今、独自に作ろうとする意味は?

疑問に感じたのだが、しばらく考えて、オープンソースというのがポイントなのだろうなと思い至った。

実際、ウェブサイトを見てみると、「RepRapの作り方はオープンソースで公開されている」と書かれている。

誰もが自由にRepRapを作り、改良し、増やしていく。プロジェクトのスローガンは Wealth without money(お金無しで豊かに)らしい。機械の自己増殖による自給自足の実現。

産業用機械を企業が所有している限り、富は企業に集まる一方である。だからオープンソースで機械を作るようにすれば……。

いったいどうなるのでしょうね。

機械ばかり増えまくって恐ろしいことになったりしないのか、と心配するのは僕だけだろうか。

Posted by taro at 15:49 | Comments (0) | taro's blog ℃

2007年04月18日

不老不死

今年も研究室にいろいろ異色な人が入ってきたのだが、修士課程から来たS氏の場合、これまでの研究の内容がかなり異色で興味深い。理学部で生化学の研究をしていたとのこと。新歓コンパの席でいろいろ話を聞かせてもらった。

染色体の末端にはテロメアという部分があり、細胞分裂のたびに短くなっていくのだが、これが短くなり過ぎると分裂は止まる。ヘイフリック限界というやつ。生殖細胞では逆転写酵素を使ってテロメアの延伸が行われるそうだが、体細胞は受精の瞬間から分裂できる上限が決められている。テロメアはいわば生物の最大寿命を決めるカウンター。このカウンターを無制限に伸ばすことができれば、不老不死が実現される――というのは短絡的だが、細胞分裂が止まってしまえば生物はやがて朽ちる運命なので、不老不死実現のための条件であることは確か。

逆に、がん細胞が無制限に分裂を続けるのはテロメアの部分がおかしくなっているからではと言われているらしい。テロメア研究の応用としてはこちらの方が重要。

異常化したテロメアの働きを抑える薬品を設計するためには、まずはその立体構造を明らかにしなくてはならない。具体的にはT-ループという輪っかの構造をしているそうだが、DNAを構成する塩基アデニン・チミン・グアニン・シトシンにはそれぞれ個性があり、それが巧みに利用されて作られているらしい。たとえばチミンの繰り返しが見られるが、これはピリミジン骨格で小さく、折れ曲がりやすいためと言われている。すなわちATGCの配列が単なる符号以上の意味を持っている。S氏の学部時代の研究ではその構造の一部を明らかにしたそうである。

人類の長年の夢のひとつ、不老不死に繋がる一歩。人類は着実に進歩している。

「たまに残念に思うことがあるんだよね。あと百年遅く生まれてたら、不老不死でしょ。惜しかった」 と僕。

「いや、百年後は無理ですよ」 とS氏。「たとえ細胞分裂が無限に続くとしても、時間の経過と共に遺伝子に損傷が蓄積されていきますから。それで体がおかしくなって、死んでしまう。テロメアが伸びただけじゃ不老不死にはならない」

「なるほど。でも、単細胞生物はいつまでも生き続けるよね。遺伝子は損傷を受ける一方だと思うけど」

「単細胞生物の場合、損傷を受けたやつは死滅して、損傷を受けなかったものだけが生き残る仕組みです」

バックアップを取りまくって、どれかが生き残ればいいというわけか。

「じゃぁ、人間の体でも損傷でダメになるのを上回る速度で細胞分裂が行われるようにして、損傷を受けた細胞は駆逐される仕組みが作られたら……」

「うーん」 と考え込むS氏。

それだけの技術の実現は百年後では無理かも知れないが、五百年後なら……。

「それより先に、人間の意識を機械に移せるようになったりするんじゃないですか」 とT島先生が横からコメント。

「あ、それはありそうですね。機械に転写された自分を自分と思えるのかという問題はありますが……」

「それに、その時期には人間の自己意識も変わっているかも知れない」 とS氏。

「なるほど。まるで細菌のように、個人というものがどうでもよくなっているかも知れないな」

「エヴァの人類補完計画ですね」

細胞分裂からいきなりエヴァンゲリオンの話になった。

「そういう話なの?」

「そういう解釈もできるという」

不老不死が先か、自我概念の超克が先か。悠久の未来の話を肴に、酒の席はやや特殊な盛り上がり方をしたのであった。

Posted by taro at 22:48 | Comments (2) | taro's blog ℃

2007年04月15日

デスクが和の空間に

さとっちさんからもらった書の作品をデスクに貼っています。
「和」な感じが醸し出されているように思います。

電子機器に囲まれ、僕自身の字は年々汚くなっていく一方です。

綺麗な字が書けるだけですごい、という日はもうすぐです。

Posted by taro at 09:44 | Comments (10) | taro's blog ℃

2007年04月09日

法螺貝の音色と共に

京都を代表する泡沫候補、蜷川澄村氏。今回、府議選に久々に立候補し、またも落選してしまいましたが、トレードマークであった「ひょっこりひょうたん島」のテーマ曲に代わって、「ほら貝」を鳴り響かせる選挙カーを導入したことも敗因のひとつでしょうか。

どのような感じだったかというと、以下の動画の通りです。(音声をオンにしてお聞きください)

Posted by taro at 20:05 | Comments (2) | taro's blog ℃

2007年04月07日

今年のにながわ澄村号

京都を代表する泡沫候補、蜷川澄村氏が今回の府議選に南区から立候補しているのですが、その選挙カーを見てしまいました。

「うかれば民主党へ」 とでっかく書かれていますが、民主党の許可はまったく得ていないため、警察から看板を下ろすように制止されたりするそうです。それでもその制止を振り払って演説を続けているとか。

「だってさ、これ見ても誰も俺が民主党公認だとは思わないでしょ。『うかれば民主党』って書いてあるんだから。だったら問題ないじゃん」 と本人は主張。

前回までは選挙カーから「ひょっこりひょうたん島」のメロディを流していたのですが、今年から法螺貝の音に変えたため、選挙ポスターには「ひょうたん島からほら貝の男」と銘打ってあります。

ポスターをよく見てみると、公約は 「当選すれば民主党へ入る」 だけのようです。きわめてシンプル。

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2007年04月04日

キャベツとコンドーム

「キャベツ・アンド・コンドーム(Cabbages and Condoms)」というレストランがタイでは有名らしく、その日本進出一号店が京都にあります。

週末、「おいしい店で食べる」を趣旨に集まっている kogeさんたちとの集まりで利用しました。T村さん、hiroponさん、mipomipoさん、taekさんが参加。店内の内装は当然、コンドーム尽くし。人間にとってもっとも脆弱なポートをブロックしてくれるありがたい品々に囲まれながら、おいしくタイ料理をいただきました。

経営しているのはタイでコンドームの普及を通した人口増加抑制に取り組むPDA(Population & Development Association)というNGO。その総裁はミーチャイ・ウィラワイヤ氏といって、活動内容を見る限り、かなり変わった人のように思われます。タイではミスター・コンドームと呼ばれて敬愛されているそうです。(というより逆にコンドームのことをミーチャイと呼んだりするらしい

店名にはコンドームがキャベツと同じくらい手に入れやすいものになってほしいという願いが込められているようですが、そういった背景を知らずとも満足できる、味の良い店でした。

Posted by taro at 23:18 | Comments (4) | taro's blog ℃